本日は、「
大都市財政の実態に即応する
財源の拡充についての
要望(
通称青本)」及び「
指定都市移行後の
検証」について調査を行うためお集まりいただきました。
それでは、調査の方法についてお諮りいたします。
調査の方法としては、まず初めに、本年度の青本の概要について
執行部の
説明を聴取し、質疑及び御意見を伺いたいと思います。その後、前回、
執行部に
お願いしておりました
指定都市移行後の
検証について
執行部の
説明を聴取し、質疑及び御意見を伺いたいと思いますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
大石浩文 委員長 御異議なしと認め、そのように執り行います。
それでは、まず、本年度の青本の概要について
執行部の
説明を求めます。
◎
黒木善一 財政課長 資料1を
お願いいたします。
私からは、
指定都市の
令和4年度
大都市財政の実態に即応する
財源の拡充についての
要望(
通称青本)について
説明させていただきます。
少し長くなりますので、着座にて失礼いたします。
第2回
定例会で
説明がありました白本が政府の
予算要求に先駆けての
要望であるのに対しまして、この青本につきましては、年末の
税制改正、それから
地方財政計画の
策定等に向けて
要望を行うものでございます。
1
ページから2
ページにかけまして、
重点要望事項としまして、
税制関係で3
項目、それから、
財政関係で
国庫補助負担金の
改革等3
項目を
要望したいと考えております。
内訳については、後ほど、後ろの
ページで
説明させていただきます。
2
ページの方に今後の
進め方についてまとめておりますが、本日、この
特別委員会におきまして青本の
重点要望事項の
最終案について御確認いただきました後、市長及び議長の決裁をいただきたいと考えております。
その後、10月15日に開催されます
税財政関係特別委員長会議、これは
ウェブ会議でございますけれども、今後の
進め方等について御議論いただくことになっておりまして、10月の中旬ないし下旬から、各
指定都市市長、
議長等による
要望活動を行うものでございます。
3
ページには、今後の
要望活動についてのスケジュール、それから担当市等々を取りまとめてございます。
1番の政府及び政党につきましては、
幹事市であります大阪市、それから、
政府税制調査会等々につきましては
指定都市市長会の
事務局で対応するというような運びになっております。
それでは、内容について
説明させていただきます。
7
ページに前文がありまして、
指定都市の全市長、それから全議長の連名で
要望を行うということで、前文がつけてございます。
それから、8
ページからが
要望に向けた背景でございます。
まず、8
ページにおきましては、①で
大都市特有の
財政需要による高い
歳出水準ということで、一般的に、市の
人口規模が大きくなるに従いまして、
スケールメリットが働きますので、人口1人
当たりの
歳出額というのは減少する傾向にございます。しかしながら、特例市、中核市、
指定都市におきましては、それぞれ
都道府県からの
権限移譲がございまして、その権限に見合う
歳出を行っておりますことから、人口1人
当たりの
歳出構造としましては、各
項目の
歳出の水準が高くなる傾向があるということでございます。
②の方で
特例事務に係る
税制上の
措置不足ということで、左側に約4,000億円、
指定都市合計で
権限移譲に伴う事務の
所要一般財源がございますが、それに対する
税制上の措置としましては1,500億円程度しかなされておらず、
税制上の
措置不足が2,500億円程度あるという
状況でございます。
したがいまして、
措置不足について、
税制改正等によりまして
財政措置を行っていただきたいという内容の
要望になっております。
また、9
ページでは、
指定都市の厳しい
財政状況ということで、人口1人
当たりの
地方債残高、それから
実質公債費比率、
経常収支比率、いずれも低い方が健全な
財政状況と言われる指標でございますが、いずれの指標も
指定都市の水準が一番高くなっているという
状況でございます。
したがいまして、こういった
状況を改善するために、
大都市の特性に合った
税財政制度の構築が必要ということでございます。
それから、10
ページ、11
ページにつきましては、
重点要望事項の内容が記載してございますが、これは後ほど後ろの
ページで
説明させていただきます。
それから、12
ページ、13
ページにつきましては、重点以外の
要望事項ということで、
税制関係で記載の6
項目、それから13
ページの中ほどでございますが、
財政関係で2
項目の
要望事項を記載してございます。
それでは、本日は、
重点要望事項の内容について、詳細に
説明させていただきたいと考えております。
16
ページを
お願いいたします。
真の
分権社会の実現のための国・
地方間の
税源配分の是正ということで、(1)で、
消費税等の複数の
基幹税から
税源移譲を行い、国と
地方間の税の
配分をまずは5対5とし、さらに、国と
地方の
役割分担を抜本的に見直した上で、税の
配分を行っていただきたいということでございます。
また、(2)におきましては、
地方自治体間の
財政力の格差の是正につきましては、
法人住民税などの
地方税収を減ずることなく、国税からの
税源移譲、それから
地方税財源拡充の中で、
地方交付税なども含め一体的に行うことという内容でございます。
17
ページの図を御覧いただきますと、現行、国と
地方が徴収する税の
配分は、
地方が4割、それから国税が約6割という
状況になっております。しかしながら、実質的にどういう使われ方をしているかということになりますと、国税から
地方交付税等で
地方に税源の
配分がなされます関係で、実質的に使っている税につきましては、
地方が7割、国が3割という
状況でございます。
これは、徴収する内容と実際に使う内容に乖離があるということで、下の図でございますが、当面は
地方税の割合を高めて、まずは5対5にと、それから、さらなる
税源移譲によりまして、実際の
役割分担に見合った税の
配分を行っていただきたいという趣旨の
要望となります。
それから、18
ページでございますが、
大都市特有の
財政需要に対応した
都市税源の
拡充強化ということで、これは
大都市特有の
財政需要に対応するため、特に、
消費税等の
流通課税及び
法人所得課税の
配分割合を拡充するという
要望でございます。
中ほどの図表を御覧いただきますと、
都市的課題ということで、例えば12時間の平均の
交通量でありましたり、下から2段目の
生活保護率等につきましては、
大都市の方が非常に
財政需要が高い傾向にございます。また、最下段にありますとおり、人口1人
当たりの
土木費、それから人口1人
当たりの
民生費、これにつきましては
権限移譲の関係もありまして、一般市と比較しますと、それぞれ1.31倍、1.2倍の都市的な
財政需要があるという
状況でございます。
しかしながら、19
ページの上段の図を御覧いただきますと、
基幹税である
消費流通課税につきましては、ほとんどが国税という
状況になっておりまして、こういった
状況に鑑み、都市的な
財政需要に対応するために、こういった
消費流通課税、それから
法人所得課税の
配分割合を
指定都市に高めていただきたいという
要望でございます。
下段には、活発な
消費流通活動及び法人の
事業活動ということで、人口、それから
従業者等々、
指定都市の割合は全国で2割から3割の
シェアを占めているという
状況もございますので、こういった都市的な
財政需要に見合う税源を適切に移譲していただきたいという
要望でございます。
それから、20
ページにまいりまして、
事務配分の特例に対応した
大都市特例税制の創設ということで、
都道府県から
指定都市に移譲されている
事務権限に見合った
税源移譲を行っていただきたいということで、
大都市特例税制を創設していただきたいという
要望でございます。
21
ページの方で、
先ほども御
説明いたしましたが、4,000億円
程度権限移譲に伴う
所要一般財源があるのに対し、
税制上の措置としては1,500億円程度しかなされておりませんので、
都道府県から
指定都市への
税源移譲を行っていただきたいという
要望でございます。
それから、22
ページからが
財政関係の
要望でございますが、1つには
国庫補助負担金の改革というものでございます。
これは、(1)にありますとおり、国と
地方の
役割分担の見直しを行った上で、国が担うべき分野については、必要な経費を
全額国が
負担すると、それから
地方が担うべき分野については、
国庫補助負担金を廃止し、
所要額を
税源移譲していただきたいという
要望でございます。
また、(2)の方では、
税源移譲されるまでの間、
地方が必要とする
国庫補助負担金の総額を確保し、
地方にとって
自由度が高い制度とするべきというような
要望項目でございます。
この
要望の
イメージが23
ページにございますけれども、現行、一定の
補助率を決めて、
国庫補助負担金というものが
都道府県・市町村に交付されておりますけれども、国が担うべき分野については必要な経費を
全額国が
負担し、
地方が担うべき分野については
税源移譲により対応すべきという内容でございます。
それから、24
ページからが
国直轄事業負担金の廃止ということで、これは
先ほどの
項目ともかぶりますけれども、国が行うこととされた
国直轄事業については、
地方の
負担を廃止していただきたいという
要望でございます。
25
ページを御覧いただきますと、現行、例えば国道3号線とか、
国直轄で実施される
国県道等の整備、それから港湾の整備等々につきましては、一定の割合で
指定都市から
国直轄事業に対する
負担金というものがございます。その
負担割合につきましては、おおむね3割強という
事業費の
負担を行っている
状況でございますので、こういった
国直轄事業の
負担金については廃止していただきたいという
要望でございます。
それから、26
ページが
地方交付税の
必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止という
項目でございます。
地方交付税は、
地方固有の
財源であるという
状況でございますし、逆に、
新型コロナウイルス感染症の
感染拡大を契機として、経常的に見込まれる
財政需要というものがございますので、こういった必要な
財政需要については、必要な
財政措置を行っていただきたいという内容でございます。
また、(2)では、
地方の
財源不足の解消は、
地方交付税の
法定率の引上げにより対応すべきということで、
臨時財政対策債は速やかに廃止していただきたいという内容でございます。
27
ページを御覧いただきますと、
三位一体改革の前の
地方交付税の
状況と近年(
令和2年度)の
地方交付税の
状況でございますが、
三位一体の改革の前の
平成15年度につきましては、
全国総額で18兆円程度の
地方交付税が交付されておりましたけれども、
令和2年度は16兆5,000億円余りということで、8.2%程度、当時から削減されている
状況でございます。
また、
指定都市の
地方交付税の総額を見ますと、
平成15年度は9,433億円であったものが、
令和2年度におきましては7,105億円ということで、24.7%の通常の水準、全国の総額を大きく上回る
削減率ということになっております。
また、下段には
臨時財政対策債の総額がございますけれども、
地方交付税と
臨時財政対策債の
シェアとしましては、
臨時財政対策債が約15.9%という全国の総額でございますが、
指定都市だけの水準を見ますと、4割近くが
臨時財政対策債による措置ということでなされておりますので、こういった
状況を改善していただきたいという
要望の内容でございます。
28
ページには、
地方債の総額に占めます
臨時財政対策債の残高ということで記載してございます。
令和元年度末の水準を見ますと、
一般会計の
市債の
指定都市の合計が約17兆9,000億円でございますけれども、このうち
臨時財政対策債が6兆4,000億円余りを占めるということで、
地方債残高の35.9%を占めるという
状況になってきております。
下の
グラフにもありますとおり、
市債総額に占める
臨時財政対策債の総額がどんどん増えてきている
状況でございますので、こういった
状況を改めていただきたいという
要望を行うものでございます。
29
ページ以降は、
先ほど説明しました
要望事項の
詳細説明となっておりますけれども、本日は
重点事項の
説明にとどめさせていただきたいと考えております。後ほど御参照いただければと思います。
説明は以上でございます。
○
大石浩文 委員長 以上で
説明は終わりました。
ただいまの
説明について、質疑、御
意見等はございませんか。
◆
小佐井賀瑞宜
委員 私の方から、ちょっと国の方にしっかりと
お願いを、
お願いというよりも意見を述べていただきたいと思っておりますのは
地方交付税ですね。
小泉さんの20年前からの改革によって、20兆円台あったやつがどんどん目減りして、そして
令和2年度で16兆円台、今回、今年度が17.4兆円台で、当初で確保されていたと思います。次年度はまた、今度は1兆円ほど削減されるのではないかというような話が
財政諮問会議の中で出ていたような気がいたします。こういう形で、上げたり下げたりをそのまま何か維持するような形で、何か正当化するようにしかちょっと見えないような感覚を覚えております。
ですから、
地方交付税は、やはりしっかりとこれは、本来であるならば、もともと20年前の水準まで戻すというぐらいのような考え方で、強く提言を申し上げていただきたいなというふうに思っております。
意見という形で捉えていただければ結構です。
以上です。
○
大石浩文 委員長 よろしいですか。
ほかにございませんか。
(発言する者なし)
○
大石浩文 委員長 ほかになければ、次に、
指定都市移行後の
検証について
執行部の
説明を求めます。
◎
田中俊実 政策局長 本市が
政令指定都市に移行しまして10年目の節目を迎えようとしておりますけれども、
議員各位から、また前回の本
委員会では
荒川委員から、これまでの実績や取組について
検証が必要であるといった御意見をいただいているところでございます。
そこで、本
委員会におきまして、
指定都市移行後の
検証について御報告させていただきたいと考えております。
指定都市移行に伴います市政の変化は、幅広い分野において多岐にわたっておりまして、その全てについて一括して御
説明を申し上げるのは、時間的にも大変困難であるというふうに考えております。
そこで、本日は、資料2を用意させていただきましたので、御覧いただきたいと思います。
この資料にお示ししておりますとおり、
検証項目につきまして、まずは1の
財政状況、次に2の
権限移譲、そして3の
区役所機能、最後に4の
都市イメージというふうに、テーマを4つに分けて御報告させていただければと考えております。もちろん、これら以外の
項目につきましても、
委員からの御
意見等がございましたらば、
追加等について検討させていただきたいと考えております。
以上、
指定都市移行後の
検証の今後の
進め方について御
説明させていただきました。どうぞよろしく
お願いいたします。
○
大石浩文 委員長 以上で
説明は終わりました。
この際、本職より申し上げます。
ただいま
執行部より
説明がございました
検証項目につきましては、当
委員会の
調査事項となっております本市の
指定都市移行の効果と課題にとって非常に重要なものであると思います。
つきましては、今後、当
委員会において、この4つの
検証項目を中心に、随時、
委員の皆さんの御意見も伺いながら
検証を進めてまいりたいと思いますが、この件について質疑、御
意見等はございませんか。
◆
荒川慎太郎 委員 6月のこの
委員会におきましてお尋ねした件に関しまして、早速対応いただきましてありがとうございます。
財政状況というところが、まず一番に
項目に上がっておりますけれども、この10年間という期間の中では、熊本では、
熊本地震と、そして現在、
コロナ禍真っ最中でございますけれども、2つの大きな災害に見舞われております。まずそんな
状況ですので、イレギュラーが発生していると考えますと、また
検証の
難易度は上がるかと思いますけれども、今後どういった取組を続けていくかということに関しましては、非常に重要な
検証だと思いますので、ぜひよろしく
お願いしたいと思います。
○
大石浩文 委員長 よろしいですか、答弁。
ほかに何かございませんか、御
意見等。
(発言する者なし)
○
大石浩文 委員長 では、ほかになければ、本市の
指定都市移行の効果と課題については、
先ほど御
説明がありました資料2のとおり、
4つ検証項目を中心に進めることとしたいと思いますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
大石浩文 委員長 御異議なしと認め、そのように執り行います。
それでは、本日は、
1つ目の
財政状況に関する
検証について
執行部の
説明を求めます。
◎
黒木善一 財政課長 資料3を
お願いいたします。
指定都市移行後の
決算の推移についてということで取りまとめましたので、御報告させていただきます。
表紙をおめくりいただきまして、1
ページでございますが、
一般会計の
決算規模の推移を
指定都市に移行する前の年、
平成23年度、それから
平成24年度以降が
指定都市移行後の
決算額というふうになっておりますけれども、その推移について御
説明いたします。
棒グラフ中、青色の
グラフが歳入の
決算額、それから赤色の
グラフの方が
歳出の
決算額ということになっております。
一般会計の
決算規模につきましては、
平成24年度の
指定都市移行に伴います
権限移譲による事業、それから
平成28年度に発生しました
熊本地震の
関連事業、また
令和元年度、
令和2年度におきましては
新型コロナウイルス感染症関連事業の
影響等で
増加傾向にあるという
状況でございます。
令和2年度の
一般会計の
決算規模としましては、歳入が4,549億円、それから
歳出が4,444億円となっておりまして、
歳入歳出ともに
指定都市移行前の年度であります
平成23年度と比較しますと約1.7倍の規模となっているところでございます。
この内訳につきまして、2
ページ以降で御
説明させていただきます。
2
ページは、
一般会計の歳入の
決算推移を
項目ごとに
グラフにしたものでございます。
平成23年、
指定都市移行前との比較で主な増減を申し上げますと、まず、一番下のピンクの
グラフであります
市税につきましては、特に
平成29年度に
県費負担教職員、いわゆる小中学校の先生の
給与負担が、それまで県が支出していたものが
指定都市の
負担ということになりまして、こういった
負担の増に伴うために、
個人市民税の税率を県の方から市の方に移譲いただく形で対応しております。
したがいまして、
市税の
決算規模としましては、
平成23年度939億円であったものが、直近の
決算では、こういった要因もありまして1,169億円と、大幅に増加している
状況でございます。
また、中ほど、緑色の
項目でございますが、国・県の
支出金、これにつきましては、
指定都市移行に伴いまして
国県道の
維持管理の業務が移譲されました。また近年では、
熊本地震の
関連事業、それから、
先ほど申し上げました
県費負担教職員の
給与負担、さらには、直近では、
新型コロナウイルス感染症の
関連事業等の
影響によりまして、非常に大きな伸びを示しているところでございます。
また、上から2段目、
譲与税の青い
グラフでございますが、これは
指定都市移行に伴う
財源移譲、それから
地方交付税につきましても、
権限移譲に伴う
財源の増加に対応するために
増加傾向にあるところでございます。
また、一番上の黄色い
市債につきましても、
指定都市移行に伴う
国県道事業、それから近年では、
熊本地震関連事業や
臨時財政対策債の増の
影響によりまして、
増加傾向という
状況でございます。
3
ページでは、
一般会計の
歳出につきまして、
目的別に整理してございます。
特に、
令和2年度、
総務費、一番下の
グラフでございますが、
令和2年度は、
新型コロナウイルス感染症の
関連事業の
特別定額給付金事業等の
影響によりまして、非常に総額も増加しているという
状況でございます。
また、下から2段目の
民生費の
グラフにつきましては、
障害者自立支援給付費や
施設型保育給付費等の
影響、さらには、
指定都市の
権限移譲としまして、
精神障害者関連の事務が
権限移譲されておりますので、こういった
影響によりまして増加しております。
また、中ほどの
土木費につきましても、
指定都市移行に伴う
国県道事業、それから近年では、
熊本地震関連事業などの
影響により増加しているところでございます。
それから、上から4段目の
教育費でございますが、これは
平成28年度から
平成29年度に大きく増加しておりますけれども、これも
先ほど御
説明いたしました
県費負担教職員の
給与負担の
権限移譲等によりまして、
教育費が大きな伸びを示しているという
状況でございます。
4
ページを
お願いいたします。
歳出の
決算推移の
性質別の推移ということでございます。これにつきましても、
平成29年度に、一番下の
グラフであります
人件費が大きく増加しております。これは、
先ほどから
説明しております
県費負担教職員の
給与負担の
権限移譲、それから近年では、
会計年度任用職員制度の
導入等の
影響により増加しているという
状況でございます。
また、下から2段目の
扶助費、これは、
先ほどの
民生費とほぼ同じ理由でございますけれども、
障害者自立支援給付費等々の伸びの
影響で、近年は
増加傾向という
状況でございます。
それから、中ほどの
普通建設事業でございますが、これにつきましても、
指定都市移行に伴う
国県道事業の
権限移譲による増加、それから近年では、
熊本城の整備等々の
影響等もありまして増加してきている
状況でございます。
令和2年度は若干減少しているところでございます。
それから、青い
グラフでございますが、
物件費でございます。これにつきましては、
熊本地震発生後に、まず
災害ごみの対応がございましたので、
平成28年度に大きく増加しております。
それから、上から3段目の
補助費等につきましては、
令和2年度に非常に大きな伸びを示しておりますけれども、これは昨年度実施しました
特別定額給付金事業の
影響となっております。
以上、
歳入歳出の
決算の推移でございますが、5
ページでは、
財政指標に関して、この10年の推移を
グラフにしております。
まず、
市債残高につきましては、3つに区分して
棒グラフでお示ししております。
青い
グラフが
通常分の
市債、それから
平成28年度以降、赤い
棒グラフでお示ししておりますのは、
熊本地震の
影響による
地震関連分の起債の現在高、それから
別書きで黄色い
グラフにしております
臨時財政対策債でございますが、通常債はおおむね2,000億円から2,200億円の範囲で推移しておるところでございますが、
平成28年度以降、
熊本地震分の起債が
市債残高が増加してきておる
状況でございまして、
令和2年度末では、地震分の残高が657億円ということになっております。
また、
先ほど青本の方でも
説明いたしましたが、
臨時財政対策債の残高につきましても、記載のとおり、右肩上がりで増加しておる
状況でございます。
また、折れ線
グラフでお示ししておりますのが財政調整基金の残高でございます。
指定都市移行前は、主に110億円程度保持しておったわけでございますが、
熊本地震の発災で、主に50億円強取崩しを行いました。また近年では、
新型コロナウイルス感染症の
影響で、
令和元年度と
令和2年度でも取崩しを行っておる
状況でございまして、直近の財政調整基金の残高としましては、37億円という水準になってございます。
それから、最後の6
ページが健全化判断比率の推移となっております。黄色い
グラフが将来
負担比率、それから緑色の折れ線
グラフが
実質公債費比率ということでお示しさせていただいております。
将来
負担比率につきましては、
市債残高と将来的に本市が
負担しますこととなる、いわゆる負債の標準財政規模に占める割合でございますが、おおむね120%台で、横ばいで推移してきている
状況ということでございます。
また、
実質公債費比率につきましては、借金の返済が標準財政規模に占める割合ということでございますが、これにつきましては、
平成23年度以降、一貫して改善傾向でございまして、直近の
決算額としましては、6.0%という水準になっております。
以上が
指定都市移行後の近年の
財政状況の
説明でございます。よろしく
お願いいたします。
○
大石浩文 委員長 以上で
説明は終わりました。
ただいまの
説明について質疑、御
意見等はございませんか。
◆古川智子
委員 説明いただきました4
ページを御覧いただきたいと思います。
一般会計歳出決算推移ですね。その中で、
政令指定都市へ移行して、
人件費に関すること、
県費負担教職員の
負担額の
権限移譲、また、それから、
令和2年度からは
会計年度任用職員制度の導入などによって
人件費が増加しているといったところですが、ここで
財政状況とともにちょっと見てみたい部分がありまして、結果的に
権限移譲しているということは、業務量も増加していると思います。その中で、職員数が
政令指定都市になってどのぐらい増加というか、推移しているかといったところ、今日は総務局の方がいらっしゃらないので、もし分かればといったところを
お願いいたします。
◎
黒木善一 財政課長 権限移譲に伴いまして、当然、やはり業務に派生する職員の増というのはございます。
今回、
指定都市移行に見合う、
権限移譲に携わっている職員数を業務ごとに積算しますと、おおむね136名程度、
権限移譲に伴う業務に従事しているという
状況でございます。
ただ、
指定都市移行後の職員数の推移につきましては、
指定都市移行前の
合併の
状況があったもんですから、総数自体は、ちょっと申し訳ありません、今、総務局の方に確認しないと申し上げることはできませんけれども、
権限移譲に見合う職員数としては、
先ほど申し上げました136人程度が
権限移譲で増加した事務に従事しているという
状況でございます。
◆古川智子
委員 ありがとうございます。
もしよければ、次回でも構いません、総務の方に
お願いして、どの局がどれぐらいの人数の推移があったか、お示しいただければと思います。
というのは、もちろん仕事のボリュームが増えている中、職員の方々の増加の具合によっては、実際に、業務の遂行の質ですとか、本当に落とさずそれが遂行できているかですとか、もしくは職員の生産能力が上がったのか、いろいろな要因が考えられると思いますので、ちょっとそちらの分析というか、拝見させていただければと思います。すみません、よろしく
お願いいたします。
○
大石浩文 委員長 では、資料の方は、またよろしいですかね、
お願いしたいと思います。
ほかにございませんか。
◆古川智子
委員 この
大都市税財政の問題というのは物すごく大きなテーマで、私自身も勉強しながらといったところなんですけれども、熊本市の大きな特徴の一つとしては、やはり自主
財源が少ないということが上げられると思います。今年度からも都市計画税が0.3%に上がることで、26億円ですかね、見込まれているというようなことはお聞きして、これまでも収入を増やすための努力はされていたかと思います。
自治体の経営の仕方と、もちろん民間の経営の仕方というのは違いがあるかと思いますが、個人的にちょっと伺いたいのが、これまで、広告料、媒体広告料、ネーミングライツとかそういった収入を、各局各課でいろいろ努力されてこられたと思うんですけれども、そういった取組と収入といったものというのは、一覧になって、情報をすぐ見ることってできますでしょうか。
◎
黒木善一 財政課長 議員御指摘のとおり、自主
財源の確保というのは、我々も非常に重要なことということで、これまでも一昨年実施しました使用料、手数料の見直しでありましたり、御紹介ありました都市計画税の見直し、それから税の方では収納率の向上対策、さらには御指摘のネーミングライツ、広告料収入等々、それから財政課の取組ではふるさと納税の返礼品の拡充による納税の確保ということで、様々な取組を行ってまいりました。
ただ、ちょっと一覧ということでありますと、今ちょっと思いつく範囲で申し上げましたけれども、
財源確保に向けた取組は、今申し上げた
項目以外にもあるかと思いますので、少し整理させていただいた上で、改めて御
説明させていただければと思います。
以上です。
◆古川智子
委員 ありがとうございます。
もちろん、使用料ですとか、収納率を上げたりとかという努力をされてきたと思いますが、個人的にこれを質問した経緯が、新しくつくらなくても、今あるものを利用して、活用して、広告媒体ですよね、広告収入に関しては、例えばごみ袋でしたり、ネーミングライツは
先ほど、市民会館ですとかそういったところはありますけれども、各局で一旦見直して、あるものを生かせるんだったら、少しでも収入を得られる工夫ができるんではないかと思っているんですね。
なので、すみません、こちらもお仕事増やして大変申し訳ないんですけれども、媒体広告料の収入に関してだけでも、まとめていただけると助かります。
以上です。
○
大石浩文 委員長 では、今の自主
財源の取組についても、政令市移行後の取組について、次回でも結構ですので、資料の方と、また併せて
説明も
お願いしたいと思います。
ほかにございませんでしょうか。
(「その他でもいいですか」と呼ぶ者あり)
○
大石浩文 委員長 結構です。どうぞ。
◆平江透
委員 事前に配付してありました資料で、今、黒木課長から
説明がありました後の
ページのところで、重要事項の
詳細説明の37
ページの6番の図表ですけれども、これはあくまでも案ということで配付してありますけれども、
令和3年度の実際の
要望書の28
ページと、この図表、ここだけが変わっているんですよね、細かいんですけれども。
具体的に、固定資産税とか都市計画税関係の数字とか、個人住民税の関係とか
法人住民税、事業税の関係とか、具体的に数字を実績の冊子は書いてあるけれども、今度の案はそういった個別に書いていない。何かここだけ違ったもんで、何かあるのかなと思って、お尋ねしたいと思います。
○
大石浩文 委員長 青本の方について。では、よろしいですか。
◎
黒木善一 財政課長 委員がおっしゃるのは、昨年度の青本の何
ページでございますか。
(「28
ページ」と呼ぶ者あり)
◎
黒木善一 財政課長 6番の昨年度の
ページでいきますと28
ページで、今年度の冊子でいきますと37
ページの図表の関係かと思います。
これにつきましては、昨年度と今年度で
税制がちょっと違っておりまして、特に、今年度におきましては固定資産税と都市計画税のコロナによる商業用地の本来上昇すべき課税標準額を、コロナの
影響で事業者の方々が苦しい
状況もあるということで据え置くという制度が、昨年と違う内容がございまして、
税制上の違いを整理するために、この表は変更されているものと認識しております。
◆平江透
委員 分かりました。しかし、違っていても同じスタイルで書いた方がいいかなと、ふと今思いましたけれども。
以上でございます。
◆福永洋一
委員 歳出に関わっての話なんですが、昨日、老人会の役員の方と話しておったら、老人会の活動自体がコロナの
影響によってほとんどできていないから、補助金を削減しようかという話が聞こえてきた。地域の団体に対する補助金は、相当な額いろいろなところに出されてあるんですけれども、老人会、自治会、コミセン、いろいろあるんですけれども、それを削減する方向で今話をされているのかな、それとも、各担当課がそれぞれ、コロナの
影響で活動ができていないところについては削減しようかなという動きで、やり取りをされているのかなというところで確認したいんですけれども、市としての方針はあるんですか、何か。
◎
黒木善一 財政課長 補助金に関しましては、やはり必要性等々を毎年精査して支出する必要がある性質のものかと思いますが、ただ、今現在、コロナの
影響で活動が縮小しているので補助金を削減しようとか、そういった全庁的な検討を行っているわけではございません。
◆福永洋一
委員 老人会でいえば高齢福祉課になると思うんですけれども、そういった動きがあっているもんだから、老人会の代表者が削減するなよという何か申入れされたというふうに聞こえてきたもんですから、そのへんを把握されて、予算削減で地域……、いろいろな温度差があるんですけれども、コロナでほとんど活動していないところがあれば、それなりに工夫してやはり支出しているところもありますし、そこで、どこにどうやって削減するのかも含めて、削減してほしくないという思いで言っているですけれども、ちょっと動きも把握された上で、これは
要望ですけれども、そういった動きがあっていますよということで、ちょっと報告させてもらいます。
以上です。
○
大石浩文 委員長 ほかに
財政状況に関する
検証についてございましたら、
お願いします。
(「資料要求でもいいですかね」と呼ぶ者あり)
○
大石浩文 委員長 はい、どうぞ。
◆井本正広
委員 すみません、青本18
ページに
都市的課題ということで、平均
交通量とか大気中窒素酸化物濃度とか、また一番最後、人口1人
当たり土木費、
民生費とありますけれども、これ全
項目について、熊本市の
状況が分かればと思いますので、よろしく
お願いいたします。
◎
黒木善一 財政課長 昨年度、
特別委員会でもちょっと本市の
状況を一部お示しさせていただきましたので、同様の整理をさせていただいた上で、御報告させていただきます。
○
大石浩文 委員長 よろしいですか。
ほかにございますか。
◆光永邦保
委員 私からも
要望ですけれども、今
コロナ禍の
影響でという言葉が飛び交っているんですが、実際の
コロナ禍の
影響を客観的に把握するのは、非常に時間をかけてやるべきだと思っているんですね。
この間の
決算報告のときも、コロナ対策のためにこういうことをやりましたという報告はあったんですが、コロナでどんな事業にどんな
影響を与えたかというのは、この間の主要な260の事業の中の半分近くにそういうコロナの
影響の書き込みがあるんですが、具体的に、ごくまれですけれどもコロナでリモートになって成果が上がった事業もあれば、もちろんダメージを受けた事業もあるし、これまでの大規模災害とは全く違った、非常に、人間の体だけではなくて、社会全体にいわく言い難い
影響を与えていると思うんですね、これも未曽有の経験で。
そういうところを一度きちんと分析して、コロナの
影響はこういうことだというのをまとめていただきたいということ、これは
要望として、ぜひ
お願いしたいと思います。なかなか一筋縄ではいかないと思うんですけれども、ぜひよろしく
お願いします。
以上です。
○
大石浩文 委員長 次ということではなくて、ということでよろしいんですかね。
◆光永邦保
委員 そうですね。
○
大石浩文 委員長 ほかにございませんか。
◆藤山英美
委員 一番最後の
市債関係なんですけれども、これは
平成23年から比較してありますけれども、
通常分と
臨時財政対策債というのが大体同じような額になって、相当前から
臨時財政対策債というのは問題化しているんですけれども、交付税の中にどういう割合で入っているのかも分からないような
状況で、また、陳情
項目の方にも毎年入っているということで、その重要性というのは分かるんですけれども、国の陳情に対する動向というのが分かったら教えてください。アバウトでも構いません。
◎
黒木善一 財政課長 臨時財政対策債につきましては、かなり残高も増えてきておりまして、
地方交付税で償還は見られているという
状況ではあるものの、この非常に増加する、本来、
地方交付税で来るべきお金が
臨時財政対策債に振り替わって、
地方の借金の増加につながっているという課題もありますことから、青本でも毎年
要望しておりますし、全国市長会や知事会からも同様の
要望がなされております。
ただ、これがなくならない理由といいますのは、やはり交付税の原資となります国税が、
地方が自分に見合う
財源が今確保できないことから、こういった臨時的な措置が継続しているという
状況にございますので、国の方としても問題意識は持っていただいているものと思いますけれども、そして税収と
地方の需要のギャップがあることによって、現在まで継続しているものと認識しております。
以上でございます。
◆藤山英美
委員 もう一つですけれども、
決算で繰越額というのが相当出ているんですけれども、その中で、財調というのが物すごく減ってきているわけですね。積み増しすることはなかなか難しいと思いますけれども、その中で、どういうふうな財政の見通しというか、これは殖やすことはかなり厳しいかと思いますけれども、そういう考え方があるならば教えてほしいです。
◎
黒木善一 財政課長 財政調整基金に関するお尋ねでございます。
先ほども
説明しましたとおり、以前は100億円の水準があったものが、地震の
影響、それから新型コロナの
影響ということで、現在37億円まで減ってきております。
我々としても、やはり
熊本地震クラスの災害を想定しますと、現状で十分という認識は持ってございませんで、やはりコロナの終息等々、今現在はコロナ対策にやはり全力を傾注するという
状況でございますが、これが平常時に戻れば財政調整基金を積み増すといいますか、増額については当然検討していくべき課題というふうに認識しております。
以上です。
○
大石浩文 委員長 よろしいですか。
ほかにございませんか。
◆福永洋一
委員 先ほどの
指定都市移行後の
検証についてということで4点示されて、
財政状況に関する
検証が今日行われたというふうに理解しているんですけれども、また2、3、4ということで進めていかれるんでしょうけれども、1点、3と4に関わってのやり取りでお話ししてもいいんですけれども、市民に対する行政サービスの視点というところでの
検証が必要ではないかなと思っていますので、そういったところもひっくるめて、3と4に関わって、そういった視点の資料も出していただきたいなと思っています。
というのは、やはり政令市に反対されてきた住民の方たちもいらっしゃる中にあって、やはりきちんと総括しなければいけないと思っていますので、政令市になってよかった・悪かった点というところも含めて、最終的には、そういったところも含めて総括しなければいけないと思っていますので、いずれは市民アンケートもしていただきたいなと、これは
要望ですけれども、政令市10年を迎えましたが、行政に対する満足度はいかがですかみたいなアンケートなんかも実施していただきたいなと思っています。
一つの
検証の視点の話ですので、回答は要りませんけれども、これ
要望です。
以上です。
○
大石浩文 委員長 では、今後のまた
項目の議論の中で、ぜひ行政サービス、市民サービスの向上というか、そういった視点も入れて、また資料等も作成していただければと思います。
ほかにございませんか。
(発言する者なし)
○
大石浩文 委員長 それでは、ほかに御意見がなければ、次回は、
権限移譲に関する
検証について、それと今日、幾つか資料が求められた件もございましたので、それも併せて
執行部に
説明を
お願いしたいと思いますが、準備していただく内容について、また御
意見等がございましたら、本職までお申し出いただきますよう
お願いいたします。
それでは、これをもちまして、
大都市税財政制度・
都市問題等特別委員会を終わります。
午前10時50分 閉会
出席
説明員
〔政 策 局〕
局長 田 中 俊 実 総括審議員兼総合政策部長
原 口 誠 二
政策企画課長 井 上 卓 磨
〔財 政 局〕
局長 田 中 陽 礼 財務部長 河 野 宏 始
財政課長 黒 木 善 一 税務部長 下 川 哲 生